ピアノクリーニング ~ピアピットとヤマハの見積もり~

納品後のピアノ内部 生活

実家のピアノを引き取ることにしました。40年間ほとんど使っていなかったので、クリーニングをしようと業者を検索。製造元のヤマハに依頼するのが安心ですが、費用は他社より割高になることが予想されます。まして全体のクリーニングとなると、どの業者でもそれなりのお値段になるはずです。

最低限のメンテナンスにしたいので、ひとまずヤマハの訪問見積もり(出張費と見積もり併せて約10,000円)で中の状態を確認してもらうことにしました。

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YAMAHAの見積もり ~購入とクリーニング~

クリーニングの費用が高ければ新品購入することも考え、訪問見積もりでは次のことを確認しました。

  1. 今後使用するうえで最低限必要なメンテナンス項目
  2. わが家のピアノの場合は次のメンテナンスが必要とのことでした。

    • 普通調律
    • 全体整調、内部清掃
    • バットスプリングコード交換
    • ハンマーファイリング
    鍵盤の前面は変色してしまっていますが、音には関係ないのでそのまま使用することにしました。ペダル磨きも今回は省きます。

  3. クリーニングと新たに購入では、どちらが安いか?
  4. 「中古や外国製なら40万程度の安いアップライトもありますが、昔のピアノは品質がいいので同程度のピアノ(見積もりのピアノはYAMAHA U2H)を新品で購入すると、70~90万程度です」との回答でした。インターネットではもっと安く手に入るかもしれませんが、それでも新品の日本製ならクリーニングより高くなるのは確実です。

  5. ヤマハ以外の業者でクリーニングすると部品が粗悪なものにならないか
  6. ピアノの部品はほとんど国内(浜松)で製造しているので、海外の部品や品質の悪い部品が使われたりすることはないだろうとのことでした。ヤマハで修理すれば、ヤマハの純正品となるので音色は違うかもしれませんが、品質には問題はないようです。

  7. クリーニング見積もり金額
  8. ピアノの状態によって違うところですが、ヤマハの倉庫での全体クリーニングは運送費込で約22万円の見積もりです。納品後の調律は別途料金(調律料12,000円、出張費15,000円)です。
    ちなみに必要最低限の作業なら出張クリーニングもできるとのことで、その場合は調律費込みで、約10万円でした。

購入とクリーニングを比較すると、クリーニングのほうが同じランクの新品を購入するより安いので、クリーニングすることにしました。

YAMAHAも出張クリーニングなら、安いですね。そのうえ、YAMAHA倉庫での作業は順番待ちなので、出張クリーニングの方が早いそうです。しかし今回は、実家から納品先への移送があるうえに数カ月保管してもらう予定であったため、出張クリーニングは選択肢から外しました。

必要なメンテナンス項目がわかったので他社にも見積もりをお願いすることにします。

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ピアノクリーニング業者の選定

ピアノクリーニングを依頼できる業者は沢山ありますが、その中で目に留まったのがpiapitです。一件一件のピアノの状態をホームページで公開しているので安心してお任せできそうです。

こちらは、全体クリーニングの見積もりの比較です。(2017年6月時点)

YAMAHA piapit 備考
内外装クリーニング 180,000 160,000 【納品後の調律】YAMAHA:別料金。Piapit:調律費込み。
運送費 40,000 32,000 千葉-倉庫-神奈川
倉庫保管料(1ヶ月) 6,000 3,500 客都合での納品延長

全体整調、内部清掃、バットスプリングコード交換、ハンマーファイリングなどの各項目もpiapitの方が安く、調律込みの値段であることから、piapitに依頼することにしました。
実際依頼したのは最低限のクリーニングだったので、かかった費用は、運送費、倉庫保管料込みで137,700円、納品当日のインシュレーター購入も合わせると、148,500円でした。

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piapitの工房でクリーニング中のピアノを見てきました!

piapitさんには、気がかりな点をいろいろメールで問い合わせたのですが、毎回親切にご対応いただきました。回答のメールで「一度ご確認にいらしてくださいませ。そのほうが解りやすいかと思います」とあり、たまたま車で近くを通ることがあったので、寄り道して千葉県印西市の工房に伺いました。

piapitの工房は手作り風の見た目にも面白い独特の空間です。
その雰囲気がよくわかるpiapitのホームページはこちらです。ピアピットさんホームページ

工房の中にはところ狭しと沢山のピアノが置かれています。クリーニングのため、各パーツが別の場所に置かれていますが、もちろん誰のものかはわかるようになっています。
ピアピットでクリーニング中のピアノ
預けたピアノは内部にカビや虫食いがあったということでしたが、見ても分からないくらいきれいになっていました。そして、各パーツを丁寧に修理・クリーニングしていただいていることがわかり、安心しました。

訪問は18時を過ぎてしまいましたが、工房にはまだ少なくとも4人のスタッフの方々が作業をしていました。皆さん、感じの良い方ばかりです。

Piapitの皆さま、たくさんのピアノの修理やクリーニングでお忙しい中、丁寧なご説明とご案内をありがとうございました!

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piapitをより信頼できた理由

工房の見学に加え、クリーニング開始後に発覚した問題の対応でpiapitをさらに信頼しました。

どのような出来事かというと、まずメールで、
”ブライドルテープを外そうとするとチップに亀裂が入り触ることができない。ここが取り外せないとフレンジコードもファイリングも出来ない” との連絡がありました。

最低限のメンテナンスしか考えていなかったので、問題の箇所を取り換えるといくらになるのかと憂慮し返答できずにいると、今度は電話がかかってきました。「何とかできそうなので、このまま続行します」との内容です。

客が費用を抑えたいと望むケースでも、その希望を尊重し臨機応変に対応してくれたことに感謝しました。

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クリーニング済みのピアノが到着!

クリーニングされたピアノがついに家に届きました!引越しの荷物より大変そうだと思ったら、アップライトのピアノでも200kg以上あるのですね。ピアノ運送のナイスキャリーサービスの方が家に運び込み、その後piapitの方が調律してくれました。

ピアノの蓋がゆっくり閉まる指はさみ防止器具も取り付けてもらい、子供が使う時も過って手を挟む心配がなくなりました。ただし、これは外すときに塗装が剥げる可能性があるとのことなので、将来取り外す可能性がある場合はつけない方がいいかもしれません。

クリーニング後のピアノ
こちらが納品されたピアノです。今回、外装はお願いしなかったのでポリッシャーで磨き上げたわけではないそうですが、それでもこの通り、見た目に全く問題ありません。内部も確認できます。ペダルが光っていないのは、クリーニング項目から外してもらったためです。クリーニングすればピカピカになるそうですよ。

ほこりやカビもなくきれいに掃除されたので、40年以上前のピアノが気持ちよく使えます。料金が安いうえに工房を見学した安心感もあり、piapitでクリーニングして正解でした。

piapitからの依頼でピアノを運んでくれた運送業者のナイスキャリーサービスの方は、インシュレーターを置くときに、揺れを吸収するよう段ボールを切って下に置いてくれました。

サービスでつけてもらえるプラスチックのインシュレーターもありますが、そのほかに、底がゴムやフェルトのものなどがあるので、こだわりのある方はお好みの物を事前に用意しておくといいと思います。事前に購入したいものを伝えておけば、piapitから購入することもできるようです。

納品されたピアノを弾いてみると、電子ピアノとは違う味わいがありました。子供が将来使うことを考えてクリーニングしたピアノ、これからたくさん使われることを祈ります!

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