頭が働かない！言葉が出ない！若年性認知症のような「うつ症状」

頭が働かない、物がよくなくなる、物忘れが多くなった、言葉が出てこないことがある、注意していても必ず仕事でミスをする。知人が45才を過ぎてこのような経験をしました。そのときの症状や対策を聞き取り、ここでお伝えします。

このような症状があっては、日常生活に支障をきたすうえに失業の恐れもあります。もし脳の病気なら治らないかもしれないと考え、人生が終わったように感じたと言います。

認知症のような症状ですが、検査や診察を受けた結果、高齢者や若年性認知症ではなくても、このような症状になることを知りました。

働き盛りで発症した原因不明の具体的な症状

• 話をしていて、言葉が出ないことがある。話している途中で言おうとしたことを何度も忘れてしまい、代わりの言葉も見つからない。
• 人の話す速度に頭が追いつかない。
• 引越しを控えていたが、引越しの前日になっても、荷物の箱詰めを終えられず、あと数時間で引越し業者が到着するというのに、急ぐこともできなかった。
• 何をやるにも時間がかかるようになった。
• 家の中で物をよくなくし、なかなか見つからない。見つかっても、「何故こんなところに？」と思うような場所で、全く記憶がない。
• 電話で相手の電話番号を控えるとき、確認のため繰り返したが、口に出して繰り返した数字とは違う数字を書いていた。
• 洗面所に掃除に使う歯ブラシが置いてある。掃除用とわかっているはずなのに、それを見て歯を磨こうと思ってしまった。

認知症の検査

若年性認知症を疑って、大学病院の認知症専門外来を受診。
検査内容は以下のとおりでした。

※脳血流アイソトープの検査費用は、2万円を超えます（健康保険の負担割合が3割の場合）

神経心理検査は自信がなかったにもかかわらず、結果は異常なし。今後、認知症専門外来の受診は必要との診断でした。

しかし、明らかに脳の働きが鈍くなっているとの自覚があったため、このまま放置することはできまないと医師に伝えました。医師は、精神的なもの（うつの症状）である可能性を指摘し、精神神経科の受診を勧めました。

うつ病の診断

治療に使用した抗うつ剤、リフレックス

最初に処方されたのは、サインバルタという薬でした。しかし、体に合わず副作用で食べものを吐いてしまったため、リフレックスという薬に変更されました。

リフレックスは一日半錠の処方。暫く続けたところ症状が改善したので、半錠の服用をさらに６ヶ月継続することになります。そこで状態が安定したので薬をやめ、症状の再発がないこと確認。治療完了となりました。

リフレックスの副作用には、眠気と体重増加があります。知人のケースでは下記の副作用がありました。

・飲んだとたんに瞼が閉じるほどの眠気を感じた　⇒　数日で慣れ、強い眠気はなくなった

・精神高揚材のため、飲み始めの頃一時的に攻撃的になったことを自覚　⇒　気をつければ日常生活に支障はない

リフレックスのデメリットは、服用すると保険への加入が難しくなることがあります。治療完了後、2016年12月時点ですが、保険会社3社を申し込み、いずれもリフレックスのために加入できなかったとのことですので、保険の加入を検討中の方はご注意ください。

抗うつ剤と同じ効果があったイミダペプチド

病院受診の前にイミダペプチドを試したところ、そのあと服用したリフレックスと同じ効果があることを確認できたそうです。仕事上のミスが減り、日常生活で困難を感じることも少なくなりました。ずっとモヤモヤしていた頭の霧が晴れたような感覚と言っています。イミダペプチドなら、処方薬ではないので保険の加入にも支障がありませんね。

イミダペプチドで十分効果はあったのに、何故病院で診察を受け処方薬を試したのか？
それは、症状の原因を突き止めたかったから。病院の処方で治れば病気を特定できると思ってのことでしたが、その結果、頭が働かなくなるうつ病もあるのだと納得したそうです。

脳の働きが悪くなるのは精神的な問題の可能性もある！

知人のように、精神的に強いと思っている人こそ、無理をして気づかぬうちにストレスを抱え続けているかもしれません。その結果、例えば脳の働きなど思わぬところに支障が表れることもあるのではないかと思います。

まだ働き盛りのときに症状が出ると、将来を考え不安になる方も少なくないと思います。ですが精神的な疾患である可能性もあります。もし認知症のような症状があった場合には、うつの症状も疑ってみてください。

但し、万が一脳の病気であれば早期発見が大事ですので、早めの検査をお勧めします。