子供の歯並びで前から気になっていた前歯。でも数本だけなので簡単に治せると高を括っていました。歯科でも急いで矯正する必要はないと言われ、のんびり構えていたのですが、いざ矯正相談を受けてみると、噛み合わせに問題があることがわかり大ショック!理想の治療を受けるために矯正相談を渡り歩く羽目になりました。
ここでは、相談に行った各矯正歯科の治療方針の違いなど、歯科矯正に関する情報を記します。
Contents
矯正は永久歯が生え変わる頃に始めたほうが安いのか?
行きつけの歯科で「矯正は早く始めると費用が高くなります。全部永久歯に生え変わった頃でいいですよ」と言われました。それを信じて小学生の間は対策をせず放置。矯正は80万くらいかかると聞き、節約すれば教育費に回せる、などと思っていました。
ところが放置が長すぎたようで、中学生になってから検査したところ、歯並びと噛み合わせを治すには抜歯が必要と言われてしまいました。顎の成長を促すことはできない年齢なので、抜歯してスペースを確保するしかないとの診断。矯正の開始時期は費用だけの問題ではなかったことを初めて知りました。
顎の成長は身長の伸びとほぼ同時期とのこと。子供に最適な治療の時期を逃さないためには、身長がぐんと伸びる少し前に、一度矯正相談を受けると安心です。尚、この記事にあるマイオブレースの場合、6~8歳くらいで開始すると、歯列を悪くする原因を早く改善でき、費用も安くなることが多いようです。
矯正の開始が遅れると治療の選択肢が少なくなったり抜歯が必要になるケースもあります。相談だけなら無料の矯正歯科も多いので、これを積極的に利用して、判断するのがお薦めです。
矯正相談で判明した噛み合わせの問題
我が家では子供が中学生になって、やっと重い腰をあげて矯正相談に行きました。前歯の歯並びを治す程度と考え、大がかりな矯正をするつもりはなかったのですが、検査の結果、以下の問題があることが判明しました。
1.奥歯の噛み合わせがずれている。
2.過蓋咬合(噛み合わせが深く、上の歯が下の歯にかぶさっている)
最近まで仕上げ磨きをして子供の歯をよく見ていたはずなのに、噛み合わせの問題に全く気づかなかったことに親としてショックを受けました。歯磨きのときは口を開くので、閉じた状態で下の歯列が見えないことに気づかなかったのですね。医師ではないので仕方ないですが、自分の目は節穴でした。
最初に行った歯科では当然の如く抜歯を勧められました。
「もう少し早ければ下顎を前に出す治療もできたが、今からでは抜歯するしかない。噛み合わせも治すなら3本抜歯が必要」とのことでした。
歯科によって治療法は多種多様。抜歯せず歯も削らない治療もあった!
最初の矯正歯科での治療方針を受け入れることができなかったため、別の治療方法はないかと他の矯正歯科を調べました。
その結果、治療器具はブラケット(ワイヤー)の他に、マウスピースがあること、抜歯をしない方針をアピールしている矯正医もいることが分かりました。
知り合いに「認定医のほうが安心」と言われ、認定医で、かつ、できるだけ抜歯をしないと謳っている医師をネットで検索。藁にも縋る思いで、何件かの矯正相談を予約しました。
ところが実際相談に行ってみると、抜歯しない方針を掲げる歯科のほとんどで抜歯を提案されました。年齢的に著しい成長期を過ぎているため、抜歯による矯正が確実ということのようです。
それでも、抜歯をしない治療を希望すると、その意向に沿った提案をしてくれた医師が一人。そして、最初から抜歯をしない提案をしてくれた医師が一人いました。
抜歯をしないケースでの代替案も、医師によって異なりました。我が子の例ですと
・カリエールとマウスピース
・フェイスボウとアンカースクリュー、その後、ワイヤー矯正
の2つです。
また、抜歯とワイヤー矯正を提案した医師の一人は、日本矯正歯科学会の認定医と認定専門医の両方の資格を持つ医師でしたが、「他の方法に詳しい人なら抜歯せず矯正できるかもしれない」と言っていました。
そのことからも、矯正の方法は様々で、医師によって臨床経験が豊富な技術と、反対に経験がない技術があり、提案する矯正方法が異なることが分かりました。
矯正は高額なのでやり直しは避けたいですし、一度抜歯してしまったら戻すことはできません。日本より海外で実績がある装置もあるようなので、矯正の方法に納得できない場合は、諦めず希望に近い治療ができる医師を探す価値は十分にあると思います。実際に、沢山の医師から治療方法を伺い、思った以上に収穫がありました。
ただ、経験豊富で信頼できる医師でなければ元も子もありませんので、そこは見極める必要はあります。
歯列以外にメリットがある矯正、マイオブレース・システム
他とは一線を画す矯正もありました。Myofunctional research co.(MRC)のマイオブレース・システムです。口の筋肉の使い方、舌の位置などの癖を改善しながら装置(マイオブレース)を併用することで、抜歯せず自然に歯並びを治すというもの。
力で動かす矯正の場合、矯正の期間と同じ期間、もしくはそれ以上、保定が必要になるようですが、マイオブレース・システムでは保定が必要ありません。また、歯列を悪くさせる根本的な原因を治療することで、姿勢や顔貌の改善、呼吸器やアレルギー疾患にも良い効果が期待できるそうです。
但し、始める年齢が遅いと、姿勢や呼吸、飲み込み方などの改善ができても、歯並びは改善しない可能性が高いので注意が必要です。
装置は取り外しができて、使うのは、日中の1~2時間と就寝時のみ。但し、装着している間は、喋ったり、食べたりできません。ですが、一日中つけっぱなしではありませんし、また、昼食時に学校で取り外す必要がないのは助かります。
通院時に、各個人に合わせたトレーニングを受け、家では毎日2~5分程度のアクティビティーを行うため、小さいお子さんの場合は親のサポートが必要です。中学生でも勉強などで忙しい中、続けられるかの心配はありました。でも、我が子は口の中を噛んでしまうことが多く、姿勢が悪いので、マイオブレースでそれらの問題を改善できるかもしれない、またその機会があるとしたら、これが最後だろうと思いました。
参考までに、こちらがMRCのホームページです。
https://www.myoresearch.com/ Myofunctional research co.(MRC)
ブラケット、マウスピース、マイオブレース、各医院の提案比較
全部で7件の矯正歯科に相談、そのうち3件で検査を受けました。忙しい中でしたが、親知らず以外を抜歯しない方法が見つかり、しかもそれぞれ異なる方法だったので、時間をかけて相談した甲斐がありました。
以下の表は、矯正歯科の相談結果です。医院名を仮にA~Gに置き換えています。C、G、A以外は精密検査を受けておらず、精密検査後に診断が変わる可能性がありますが、抜歯に関して随分違いがあることが分かります。D~Gは初見で抜歯必須と言われ、検討から除外したため、未確認項目もあります。
A/マイオブレース | B/マウスピース | C/ブラケット | D/ブラケット | E/マウスピース | F/マウスピース | G/ブラケット | |
抜歯 | 不要 | 親知らず以外不要 | 【最初の提案】上1本 【抜歯無希望後】親知らず以外不要 | 上2本必須。 他は検査後決定。 | 右上1本 | 上下2本ずつ | 上1本、 下2本 |
抜歯(親知らず) | 無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
歯を削る必要性 | 無 | 有 | 無 | (未確認) | 有 | (未確認) | (未確認) |
使用する装置 | マイオブレース クワドヘリックス | カリエール マウスピース | フェイスボウ、 アンカースクリュー ブラケット | ヘッドギア またはアンカースクリュー ブラケット | マウスピース | マウスピース | ブラケット |
チェック頻度 | 月1回アクティビティ指導と クワドヘリックスの調整 | カリエール:1.5~2ヵ月に1回 マウスピース:2ヵ月に1回 | 3~5週間に1回 | (未確認) | (未確認) | 2~3ヵ月に一度 | (未確認) |
矯正期間 | 2年 | カリエール:1年 マウスピース: 1年半 | 4~5年 | 2~3年 | 未確認 | 2~2年半 | 2年 |
保定期間 | 不要 | 2~3年 | 4~5年 | (未確認) | (未確認) | 2年 | (未確認) |
検査料 | 30000 | 40000 | 30000 | 50000 | 35000 | 35000 | 39000 |
矯正料 | 600000 | 800000 | 850000 | 850000 | 800000 | 850000 | 700000 |
通院時費用(一回) | 5000 | (矯正料に含む) | (矯正料に含む) | 5000 | (未確認) | (矯正料に含む) | 5000 |
通院時費用(矯正期間から算出) | 120000 | 0 | 0 | 180000 | (未確認) | 0 | 120000 |
保定料 | 0 | 40000 | 50000 | 30000 | 10000 | 50000 | 30000 |
費用合計 | 750,000 | 880,000 | 930,000 | 1,080,000 | 845,000 | 935,000 | 889,000 |
保定料補足 | 保定2年を超えると検診1回\3,000 | 保定期間の検診費不要。 |
親知らず以外を抜歯しない方針を提案してくれた矯正歯科はB、Cの2件。親知らずの抜歯の話もなかったのはAの1件。
費用は、治療方法による違いはほとんどありませんでした。唯一、マイオブレース・システムは、トータルの金額が他に比べて安かったのですが、小さいうちに始めれば、更に費用を抑えられたようです。小さいうちのほうが安いのはマイオブレース・システムの特徴(長所)だと思います。
下記画像は、Eの矯正歯科のシミレーションです。
上の歯を一本ぬき、0.5mmずつ削ることで、噛み合わせも正しくなる、との話でした。確かにきれいに並んでいます。
しかし、以前次のような記事を見たこともあり、虫歯のない健康な歯を無理やり抜くのは、どうしても気が進みません。
https://emira-t.jp/special/9349/ 「死んだ神経まで生き返る!? 歯と全身の相関性が持つ再生医療への可能性」 EMIRA (2019.02.12)
7件の矯正相談の結果、我が家ではAのマイオブレース・システムに賭けることにしました。力による矯正のように完璧な歯並びにはならないかもしれませんが、この矯正の結果、もし本人が納得できなければ、そのときあらためて別の矯正を選べばいい、という考えに至りました。
Bのカリエール&マウスピース(インビザライン)と随分迷いました。就寝時頭に被るフェイズボウのような大きな装置や口腔内に穴を開けるアンカースクリューの代わりに、カリエールという手軽な装置と取り外し可能で目立たないマウスピースでの矯正は魅力でした。ですが、力で移動させる普通の矯正よりも、歯並びを悪くする癖があるなら、それを先に治したいと思いました。
完璧な歯列を作るよりも、今しかできない治療を受けさせてあげたい。副次的効果として姿勢も良くなれば一石二鳥です。
以上が、抜歯と歯を削ることを避けたくて7件の矯正相談に行った記録です。
追記:中学生でマイオブレースは適切か?
14歳でマイオブレースを始めた結果を追記します。我が家のケースでは、完全に失敗です。大人の歯が生えそろい、顎の成長もほとんど残っていない状態では、マイオブレースで歯並びを改善することはほとんどできませんでした。
人によって多少の違いはあるかとは思いますが、成長のピークを過ぎている場合、マイオブレースはお勧めしません。
もっと早く知りたかった!自宅でマウスピース矯正 Oh my teeth
子供がマイオブレースを始めてから、
特筆すべきは下記の点です。
- 低価格
- 何度も通う必要がない
- 短期間(平均3~6か月)
- 初回の3Dスキャンが無料
以前相談した7件の矯正歯科のうち、初回の無料相談で3Dスキャンをしてくれたのは1件だけです。期間は2年かかるのが当たり前で、通院頻度が少ないマウスピース矯正でも、少なくとも2~3カ月に1度は通院が必要でした。そして料金は、ほとんどの矯正歯科で100万円前後かかります。
Oh my teethはそんなハードルの高い矯正歯科業界で異色の存在。
是非選択肢に加えたいですね。
但し、Oh my teeth では、可能なケースと不可能なケースを最初から明確にしているので、初回診断の結果、Oh my teethで矯正できないこともあるようです。
開始前に、LINEで相談することができるので、矯正をお考えの方は、利用してみてはいかがでしょうか?
まとめ
中学生の矯正相談をしてわかったのは、子供は小学校の中学年以降の著しい成長がみられる前に、一度矯正相談に行ったほうがいい、ということです。顎の成長が弱い、または噛み合わせが悪いなどの、親が気付かない問題があるかもしれません。専門医に見てもらうことで、後からでは取返しがつかないケースに対処することができます。
成長を利用しての改善ができなくなると、ワイヤーやマウスピースを使って力で移動する方法のみ、場合によっては抜歯となります。どの治療法が適用できるかは、歯列の状態によって異なりますので、まずは、診察と相談ですね。
矯正歯科を渡り歩いて負担に感じたのは、高い費用と相談に出向かなければ詳しい話を聞けない煩わしさです。oh my teeth のようなサービスをきっかけに、矯正歯科業界も身近な存在に変わっていってほしいです。
一般の歯科矯正は長期間に及ぶ通院が必要です。長い付き合いになりますので、担当医師との信頼関係は不可欠です。治療方針や費用に納得できるのは勿論ですが、信頼できる医師であるか見極めることも大切です。
筆者のつぶやき
世の中には、矯正以外にも一般家庭にはハードルの高いものがあります。それを発見するたびに、もっと安く、身近なものにできないのか、と思います。矯正では、oh my teeth がそれをやってくれました。まさに、これを待っていた!と思えるサービスです。他の業界でも同様に
が実現されることを願っています。
コメント